Yokohama Choral Society
-横浜合唱協会-

2002年ドイツ旅行記念誌Web版第4章

日誌の部

8月8日(木)

青柳 敦子

成田〜ライプツィヒ

7:50 成田 快晴 車寄せの電光掲示板は既に31度。 暑い!

集合場所のDカウンターは、出国ピークを迎え各社ツアー名がずらりと並ぶ。が、肝心の我等がツアー名が見当たらない。「此処ではないのか?」と不安が過るが、別の場所に移った由〜ツアー人員が多い為、混乱を避ける為の緊急避難的措置だった模様。84名の大所帯、この時期、一便に全員が乗り込めるだけでも幸運。ともあれ、荷物を預け、JTBの添乗員、壱岐さんのお顔を見て一安心。

10:00 成田離陸(LH711便) 快晴

搭乗ゲートで各班長さんによる点呼を受け、一路、ドイツヘ。メンバーの座席は飛び飛び。私は山田御夫妻と並び。この原稿も詳細なる[山田家メモ]に拠るところが大! 機上の12時間は、予想に反し静かに流れた。

14:30 (以降現地時間。日本との時差;−7時間) フランクフルト着陸 晴れ

入国審査の後、国内線ターミナルまでは長いトンネル抜けを含む小行軍。一息入れていると、一天俄にかき曇り雷雨となる。搭乗ゲートまで変更に。

18:10 フランクフルト離陸(LH48便) 雷雨

35分遅れで離陸。窓を打つ激しい雨と揺れにいい気持ちはしない。

19:20 ライフツィヒ郊外ハレ空港着陸 雷雨

1時間近く遅れたものの無事着陸。悪天候で発着便が少ない為か閑散としたロビーでは元会員のブラウマンさんが穏やかな笑顔で出迎えてくれた。

20:20 ルネッサンス・ライフツィヒ・ホテル着 雷雨ただし小降り

現地ガイド、レイコ・フォン・ハッセルバッハさんの指示で荷物を積み込み、30分程のドライヴで市街ホテルに到着。見違える程スマートになったヒラーさんが満面に笑みを湛えながら長旅を労って下さる。今か今かと待ち続け出迎えて下さったお二方の暖かいお気持ちには「有り難い!」の一言。明日からの私達の音楽でお応えするしかないと、気持ちを引き締めつつ、家族参加の方々の紹介、明日の予定確認の後、21時過ぎ、解散。

8月9日(金)

山本 久美子

ライプツィヒ第1日目

日本の猛暑が嘘のような湿度のない爽やかな朝を迎える。

7:00 朝食

豪華メニューのバイキングに驚き!

9:00 ホテル出発

私にとって初めてのドイツ・ライプツィヒの町を歩き 聖トーマス教会に到着。

9:30 聖トーマス教会

バッハ像前に集合全員で記念撮影

10:00 練習

12:15 昼食は各自

13:30 練習

午後の練習中、教会関係者の方がこられて「これから結婚式が始まりますが、練習はいつ終わるのか?」と言ったのかどうか、私はドイツ語が分からないが、急遽練習場所の移動が始まりました。教会内の一般人では、立ち入ることができない場所を見ることができ、個人的には楽しいハプニングにラッキィー!

15:00 無事第1日目の練習を終了。

3時以降 各自自由行動

8月10日(土)

和田 嘉子

ライプツィヒ第2日目

6:00 起床。晴天。

7:30 ホテル1Fにて朝食。今朝も、皆、朝が早いようだ。一番乗りのつもりが既にほとんどのテーブルが占められている。今朝も色とりどりのメニューが並び、ゆったりと和やかに食事を終える。

10:00 ホテル出発

今日は、トーマス教会、モテット演奏会。 各々、11時の集合時間に合わせ出発。

ライプツィヒの街並みを横目で見ながら、聖トーマス教会へ足を早める。

11:00 バッハ像の前で準備体操。トーマス教会から5分程離れた、メンデルスゾーンの作ったバッハ像の前で、いつもの準備運動を開始。 観光客の数も多く、チョット周りの眼が気になる私達。

12:00 リハーサル。教会前にてハーゲンさんにお会いする。

トーマス教会聖歌隊席にて八尋先生によるリハーサル開始。メンデルスゾーン、バッハ、モテット(オルガン、コントラバス)、レーガーと進みます。八尋先生の指揮にも力が溢れます。リハーサルにも関らず、ビラー氏、レーゼラーさん、ブラウマン氏のお母様、ブロイティガム氏が駆けつけて下さる。

14:00 休憩。1時間の休憩をとる。後発の、ソプラノ 榊原さんも到着し、聖歌隊席裏にて演奏会衣装に着替え、本番を待つ。

15:00 モテット演奏会 開始。聖歌隊席の両側の窓はひらいているが、少し蒸し暑さを感じる。未だ、上着を召してらっしゃらない先生は、真っ白なシャツにサスペンダー姿だ。客席は2F席迄満席となる。ビラー氏、トマナコーアの少年達は、聖歌隊席の両サイドに座し、私達を見守る。 聖トーマス教会の荘厳な雰囲気の中、演奏は始まる。

17:00 演奏終了、自由時間。演奏後、ペッツオルト氏が駆けつけて下さる。ビラー氏とレーゼラーさんからの講評も頂く。着替えを済ませ、1Fに降りると、5時から結婚式で新郎、新婦の姿。三々五々、トーマス教会を後にする。

20:00 夕食。夕食は各自、自由にとる。 ホテルで食事をする人、近くのマックを買ってきて食べる人、スペイン料理店でドイツ語を駆使し拍手を受ける人、夫々にモテット演奏終了で盛り上がったことでしょう。

24:30 後発、フランス経由の3人、風雨の中到着。トランクが行方不明!?

8月11日(日)

渡邊 成

ライプツィヒ第3日目

トマス教会礼拝参加の日。礼拝に出る前はいつも緊張する。早々に朝食を済ませてトマス教会へ。街は霧のライプツィヒである。

聖歌隊席での待機はもう随分と慣れた。体操と発声の後、ビラーさんからの説明と指示。昨日の演奏会のことが頭をよぎっていた。

礼拝にふさわしく歌えるのか、礼拝にふさわしいというのは何なのか、そんなことばかり考えているうちに、あっという間に全ては終わった。

教会から出ると霧は晴れていた。

打ち上げ会場への道すがら八尋先生とお話しをした。
「良い経験が出来たでしょう。」
「はい、もっとしっかり音楽と語学をやっていればよかったと思いました・・・。」
「君たち若い人はまだまだ大丈夫ですよ・・・!」

お昼の打ち上げの後、ペッツォルトさん宅訪問に参加した団員もいたが、大方はめいめい自由行動。私は一度ホテルへ戻った後、メンデルスゾーンハウスへ向かう。

大好きなメンデルスゾーンが最期を迎えた家は、少し寂しい住宅街の中にあった。

彼の、あの美しい旋律が、響きが生まれた場所に立てて、本当にうれしかった。今度来る時は、この応接室で歌おう、そう決めた。

ライプツィヒ駅での買い物の後、ホテルで軽く飲んで、礼拝の一日は終わった。

8月12日(月)

山田 多佳子

ライプツィヒ〜アンナベルク

6:30 朝食。

8:35 本降りの雨の中ライプツィッヒを出発した。分断と統一の歴史を感じさせる話を聞き、変わりゆく街並みを見ながらアルテンブルクに向かう。

9:45 アルテンブルク着。中世の面影を残す城内を歩いて教会へ。

10:05 約50分間のオルガン演奏を聴く。その後、買い物・移動。

11:40 出発。

12:50 ツヴィッカウ着。途中、中世ヨーロッパの、又現代ドイツの人々の生活の様子を、家・畑・林等を見ながら聞く。到着後すぐイタリアンレストランへ。朝食が早かったので皆空腹。赤ワインと野菜たっぷりの昼食に笑顔がこぼれるが、ゆっくり過ごす間もなくシューマンハウスに向かう。

14:00 シューマンハウス見学。

15:00 出発。国境の町プラウエンに向かう。

途中、川の増水を心配気に見る人々に会う。(大洪水の前兆)

16:10 プラウエン到着。傘をさしてルター教会へ。

16:20 約40分間、オルガン演奏とクーナウ牧師のお話を聞く。町や教会の歴史を熱く語る姿に引き込まれ、短い時間が惜しまれた。

17:00 出発。

20:00 アンナベルク着。途中のトイレ休暇35分。雨と寒風の少々辛い時間だった。

人間工学に基づいて作られたアウトバーン、風力発電の話を聞いているときに目にした一頭のバンビ。心に残る移動の日だった。

8月13日(火)

出川 剛

アンナベルク1日目

 今日も昨日に続き、小雨が降るどんよりとした天気。今日は夕方5時からのリハーサルまでは自由行動のため、約60名が古城街道のオプショナルツアーへ、残留組はアンネン教会でブロイティガムさんのオルガン演奏を聞いて付近を散策、また中には蒸気機関車(SL)に乗りに行く予定の人も。

ところが、バス2台に分乗し古城街道へ出発したものの、数日来の雨(洪水)でどこの道路も通行不能で先に進めずホテルに戻ることに。結局約1時間の洪水見学ツアーとなってしまいました。

ホテルに戻った後は、残留組と一緒にアンネン教会へ。ブロイティガムさんが遅れている為、教会のガイドさんから、15世紀より鉱山と共に発展した街と教会の説明をして頂く。

午後は街やホテルのレストランで食事をしたあと、買物をする人が多数。木製の人形等おみやげや、気温が寒い為上着を買う人が目立ちました。

夕方はアンネン教会でリハーサル。この教会は残響がとても長く、みんな慣れるのか不安になりながらリハーサルを続けました。

夜はホテルのレストランが横浜合唱協会用に用意したメニュー(やはりジャガイモと肉料理がメイン)で食事をし、予定がくるった一日が終了。

8月14日(水)

榊原 利絵

アンナベルク2日目

朝から小雨。希望者はブロイティガムさんの案内で鉱山博物館まで散策。その他はリハーサルまで自由時間となる。散策組は雨の中、傘をさして出発した。少し歩くと森の中に入るが、道路沿いを流れる川は大氾濫の跡が生々しく、この時もまだ森の中を水が流れているようだった。木が根こそぎ倒れていたり、道路が削り取られている。1時間ほどで鉱山博物館に到着し、トロッコ列車に乗って鉱山ガイドツアーへ。かなり時間が押したため大半の参加者の昼食は博物館のホットドッグのみとなる。急遽手配のバスでホテルへ帰り、14時には全員が集合し、石畳を歩いて町の集会場に行きリハーサルを行った。アンネン教会に戻り17時からのブロイティガムさんとのリハーサルを経て20時の開演となる。聴衆は多くはなかったが、終演後には盛大な拍手が寄せられた。その後のホテルでの打ち上げでは八尋先生指揮で「水上」や「追分節考」ショートバージョンなどを歌いおおいに盛り上がり、アンナベルグ滞在を締めくくった。

8月15日(木)

古根 正治

アンナベルク〜タールビュルゲル

8月15日。ドイツでは「聖母昇天祭」という祝日である。結局青い空を見ることなく、早朝にアンナベルクを出発する。最初の目的地はフィヒテルベルク。チェコとの国境をなすエルツ山脈に属するこの山は、白馬村と姉妹都市であるオーバーヴィーゼンタール市に位置する。標高1,000メートルを超える頂上からの景観が素晴らしいと、ブロイティガム氏ご推奨の場所である。この日は残念ながら霧が深く景色を堪能することができなかったが、時折霧の隙間から麓の様子を垣間見ることができた。

山を散策した後、国境を越えてチェコへ入国。当初はプラハ観光をするはずであったが、数百年に一度の洪水のため立ち寄らず、昼過ぎにカルロヴィ・ヴァリへ到着した。この頃には天気も回復し、久しぶりに夏の暑さを感じることができた。温泉保養地として有名な町だけあって、さまざまな人種の観光客で通りは賑わっていた。川沿いにはメルヘンチックな外観のホテルが並ぶ一方、別の通りには少し歴史がかった建物が並び、短時間ながらも散策していて面白かった。高価なボヘミアンガラスの代わりに陶製飲泉用カップを、美味い地ビールの代わりに薬用地酒を購入し、2時間弱の滞在を終えた。

再び国境を越えて最終目的地タールビュルゲルへ向かう。バスの行くアウトバーンの周囲は麦畑と黒い森が続き、あらためてドイツに居ることを実感させられる。途中休憩をとり、一路ホテルエールミューレへ向かう。到着直前に車窓から見た、夕焼け(?)に浮かぶクロスター教会が印象的であった。8時過ぎにホテルに到着し、おいしい夕食をとって長い移動日を終えた。さて明日もがんばるか。

8月15日(木)

齊藤 ひろ子

アンナベルク〜タールビュルゲル直行便

9:00 アンナベルク発。 直行組 20名。 ガイドは付かず齋藤さんを頼りに出発する。

10:45 国境にさしかかり検問。みんな少々緊張気味に係官を待ち受ける。

ドイツ側…全員のパスポートを見る(暇なのか・・)。 友田家の赤ちゃんににっこり微笑む。

チェコ側…一人のパスポートを見て「OK」と直ぐ終わる。

11:00 カルロビバリ着。 1時間の自由行動。

インフォメイションを探し地図を入手。 トイレタイム。

太陽が燦燦と降り注ぐ中、大急ぎで街・温泉を見てまわるが時間が足りない。

 *ユーロ・紙幣しか使えない店あり

12:00 出発。

13:00 ヘプ着。 昼食を含め2時間。 広場まで行き集合写真を撮ってから自由行動。

鳥山夫人のリードで、色とりどりの美しい建物をバックにアングルを決め、和やかな雰囲気!

やっぱり仲間はいい!久しぶりの夏らしい太陽の下、みんなチェコビールを満喫した様子。

15:00発 渋滞し国境越えに50分。一旦バスを降りて待つ。トラックは普通車以上に長蛇の列。ドイツへの入国がより厳しいとのこと。  

18:30 1時間半遅れて、タールビュルゲル着

 エルミューレに着くと2階の窓から尺八の関先生が迎えてくれる。 

ゾンネ組とここで別れる。

8月16日(金)

合田 桂子

タールビュルゲル第1日目

エールミューレホテルの朝は田舎の香水の薫りが特に強くなります。16日もそうでした。 そんな朝、緑鮮やかな道を歩いていくと辺りに何もないようなところでガチャガチャを発見、50セントを入れて出てきたのは般若のキーホルダーやデジモンのシール。不思議な日本文化が伝わっていました。更に民家をぬけて進んで行くと、タールビュルゲルのメイン通りが見えてきました。伝統的な紺色に白い水玉模様のビュルゲル焼きがあちこちの店のウィンドーにかわいらしく飾りつけしてあります。YCSの皆さんも楽しそうにおみやげを選んでいらっしゃいました。

そうこうしている間に13時になり、クロスター教会へ行くと、牧師さんが色々と説明して下さいました。牧師さん曰く「ゲーテが見とれてランデブーをすっぽかしてしまった」という柱やレリーフに囲まれたドアを開くと、華美ではないけれど重厚な教会内部です。そこは歌いやすい残響を持ったホールでもあり、17時までリハーサルをしました。

夕食後、部屋に戻ると窓を開けていたので、バッタがピョンピョン跳ねていて、タールビュルゲルの長閑な空気を感じた一日でした。

8月17日(土)

中村 小絵子

タールビュルゲル第2日目

本日の予定。

15:00より リハーサル、

18:00(実際には17:30頃)より 軽食と声出し、そして、クロスター教会での本番、

20:00 開演。

この本番はドイツ旅行最後の演奏会、しかも唯一、日本歌曲を含むプログラムである。

よく晴れていた空に雷が鳴り始め、雨が降り出した頃、教会の鐘が演奏会の開始を合図した。舞台上の明かりで見える前列のお客さんの顔は、歓迎してくれているように私には思われた。

プログラムは、前半はこれまでと変わりない。ただひとつ違ったことは、メンデルスゾーンの後に拍手が入ったことである。私の思い込みでなければ、歌っている間にも、私が聴かせたいと思って歌うと、お客さんはちゃんとそれを受け取っている雰囲気を伝えてくれていたのだ。

そして、いよいよ後半。『城ヶ島の雨』では、またも思いがけない拍手をいただいた。森先生の声にも反応していたようだ。注目の『追分節考』では、とうとうスタンディング・オベーションである。あの幽玄な響きと土くさい(?)うた、のびやかな尺八の音に呑まれて、教会全体が音楽空間となり、我々もお客さんも何か同じものを共有できたのではないだろうか。

最後に、本日の締めくくりは、夜10時半近くになってからの打ち上げであった。

帰国その1

白石 洋子

8月18日(日)

5:00 起床し、朝食。 天気 晴れ23℃ 昨日のパーティーのオードブルがテーブルに残っている。

7:15 荷物をバスに積み込む。

7:30 ゾンネ宿泊組と合流。ホームステイ組が遅れて現れる。

8:30 空港着。手荷物を預ける。 お世話になったレイコ・フォン・ハッセルバッハさんとは、ここでお別れ。

10:50 フランクフルトに向け、ルフトハンザ航空B737-500型機はライプツイッヒ・ハレ空港を離陸する。眼下に見えるハレの街。教会を中心に放射線状に赤い屋根が並んでいる。

12:25 フランクフルト着。国際線に乗り継ぐため、広い空港内を徒歩で移動。

13:30 LH710搭乗開始。日本語の機内アナウンスを聞く。朝食をとってから食事をしていないのでおなかが空いている。

(16:00 夕食のメニューは素麺を含んだハンバーグカレー、カワマスからのチョイス。)

帰国その2

岩附 美和子

13:45 フランクフルト発。 ルフトハンザ・ドイツ航空710便が飛び立ち4時間程たってから、映画「岩窟王」が始まる。終了した頃が午前3時30分(日本時間)。 眠っている人が多かったが、軽食のおにぎり、サンドイッチ等が配られる。その頃、東の空は、オレンジ色の帯状をした朝やけが見え始める。

8月19日(月):(日本時間)

6:20 朝食が出る。メニューは、オムレツ、ウィンナーにトマトソース、ブルーベリーヨーグルト、チーズ、パン、ジャム、飲み物。その後、着陸30分前の機内アナウンスが流れ「午前7時8分の東京の天候は、曇り、気温26度」と放送がある。それから、機内がかなり揺れる。台風の影響かと思われた。

7:40 定刻通り、成田に着陸。

8:20 入国審査を済ませ成田をあとにした。

11泊12日の思い出に残る「ドイツ演奏旅行」も全員無事に終えることが出来た。

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